定期的に来られる患者さんのAさん。

今日はいつもに増して症状がきつく、辛そうです。
肩から首にかけて痛みが出て吐き気と頭痛がひどい。
この2日間はあまり寝れなかったとのことです。
「でも、どうせもうすぐこはる庵さんに行けるし、ガマン・ガマンっと頑張りました♪」
・・っと無理やりの笑顔での来院でした。
いや・・そこは頑張るところじゃないかなぁ・・?
それにしてもこれほどの症状・・通い始めに戻ったように感じるほどでした。

施術をして徐々に身体から緊張がほどけてくると、顔色がかなり良くなってきました。
「こうやって良くなってくると、先生の言われる通り身体にはちゃんと治る力があるんだなって思えます。」
「えっ・・もう何回も来てるよね?そしてその度にこの自分の中にある治癒力を味わってるよね。そろそろ自分の身体の力を信じてあげようよ」
「そうなんですけど。普段は前よりかなり良くなったんで自分の身体すごいわ♪って思えるときも増えたんですけど・・。今回のようにどんどん悪くなるとこのまま良くならないんじゃないかとつい悪い方に考えてしまうんです。」
「あ~~~~~。なるほど。そういうことってあるある♪」
そしてぽつりぽつりっと・・話をされ始めました

身体が緩んでくると自分があまり意識していいない本当の声が出てくることがあります
実はAさん、ここ何週間本当に辛いことが重なっていっぱいいっぱいになっていたようです。

「自分はいつも感情的に話をして思ったことや意見をぶつけてしまう。冷静に話ができない自分が嫌になってしまう。優しい人になりたいんです・・」

もう、本当に切実です。
あ、前もって言っておきますが、Aさんは自分で言ってるほどヒステリックではありませんし、冷たい人でもありません。
むしろいつもニコニコされてて、私の寒いボケにも温かい目で素晴らしいツッコミをしてくれる方です。そんな方が優しくないわけがありません。

で、ここで考えてほしいんです。
まず、「いつも感情的に話をしてしまう」の「いつも」って、本当にいつもですか?
今、めっちゃ冷静に、普通に話してますよね。
本当はそういうときの方が多いですよね。
じゃあ、冷静に話で来ている素晴らしい自分がいるじゃないですか。
「私いっつも冷静に楽しい話ができて素敵やわ~。こんな自分が大好き♪まっ・・たまに毒もはいちゃうけどね♪てへぺろ(^^*」
くらいでいいんじゃないですか。

次に「優しい人になりたい」。
Aさんに
「優しい人ってどんな人ですか?」
と聞くと、返ってきたのがこんな答え。
「いつも笑顔で、だれに対しても温かく接して、困っていた人がいたらさりげなくパッと助けて、スッと去っていく人。」
おお~、かっこいい~。
・・って、それは・・・もしかして・・・。

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「♪疾風のよ~にあ~らわれて~疾風のよ~に~去ってゆくぅ~♪」
該当者、月光仮面くらいしか思い浮かばんわ!
いや待て、月光仮面、誰に対しても笑顔じゃないよね。
ってゆーか覆面だから表情わかんないよね。
悪い者に対してはめっちゃ冷たいしね。
むしろ暴力までふるっとるがな。
力説する私にAさんのツッコミ。
「先生・・・月光仮面を思い浮かべるのは先生くらいですから」
あ、そう?
ちょっと違ったみたいです。
そうそう、ここでも「いつも笑顔で」って言っちゃってますよね。
はい、出た。
「いつも」
もうね、「いつも笑顔で」とか「誰に対しても温かくって」、そんなの悟りを開いた人か神様、仏様くらいですよ。
試しに今、Aさんが優しいと思ってる人、想い浮かべてみてください。
その人、笑顔じゃない時もあるでしょう?
虫歯が痛いときとかめっちゃしかめっ面かもしれませんよ。
関わりたくない人に暖かく接することができない時だってあるでしょう?
それでもその人のことを「優しい」と評価できるのに、自分のことはなかなか評価できてないようです。
もちろん、Aさんが悪いというわけではないんですよ。
自己評価が低いのは自分ルールが厳しすぎるからなんです。

最近、日本を元気にしたいという熱い想いで全国を飛び回り、講演活動もされている「てんつくマン」という方のお話を聞く機会があったんですが、そこで聞いた話の受け売りです。
「今、身の回りに見える景色の中で『茶色のもの』を数えてください」
と言うと、10個くらいしか答えられない人もいれば、30個以上答える人もいるそうです。
当然、身の回りにあるものは同じ。
じゃあ、この20個の差は何かというと・・・「茶色の定義の差」だそうです。

10個くらいの人はこの景色でこれだけ。

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30個以上の人はこんなに。

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え?それも茶色なの?って思うものも入ってますよね。
これが「自分ルールの差」なんですよね。
自分ルールの厳しい人は
「茶色か~。これはベージュだしなぁ。これはブラウンだし~」
と勝手に茶色の幅を狭めてしまうので、なかなか探せないんです。いやいや、待て待て、ブラウンって茶色やろってツッコミたいですよね。
対して自分ルールの幅が広い人は、いや、それはこげ茶やろっ!とか、それはベージュやろっ!とかいうのまで茶色にカウントします。すごい人になると自分の腕指差して「茶色♪」と言い始めますからね。
そして、人のことも批判しません。
自分の瞳の色を指して
「コレも茶色かな♪」
って言う人に対しても、「いやいや、黒でしょ」とか言わないですね。
むしろ、
「あ~、なるほどね~。そういう見方もあるよね~」
って柔軟に受け入れることができます。

ここらで厳しすぎる自分ルール、見直してみてもいいんじゃないですか?
Aさん、十分頑張れてますよ。

操体法では身体のことはもちろんですが、「食息動想+環」のバランスを重要視しています。
こはる庵では特に「想」の部分(心・精神活動)と身体との関わりを大切にしています。
こんな考え方もあるのかと気付くだけで心も軽くなることもあります。
そうなるとほんとに身体の症状も変わってきますからね。

 

↓今日のいつも笑顔

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怒る時も笑顔?