機能性ディスペプシア

├症例

「機能性ディスペプシア」のKさんが、お嫁さんの紹介で来院されました。

この「機能性ディスペプシア」という病気の概念は、近年になって新しく確立したものです。
それまでは機能性ディスペプシアの患者さんの多くは「慢性胃炎」や「神経性胃炎」と診断されていました。
本来「胃炎」とは、胃の粘膜に炎症が起きている状態を表す言葉です。
ところが、胃炎があっても症状があるとは限らず、逆に症状があっても胃炎が認められないことも多々あります。
そこで、症状があってもさまざまな検査でそれを説明できる異常が認められない場合、胃に炎症があるなしにかかわらず「機能性ディスペプシア」と呼ばれるようになりました。
要するに「原因が分かんないけど胃が悪い症状が出てる」ってことです。

症状としては
・食事開始後、すぐに食べ物で胃がいっぱいになるような感じ
・みぞおちの痛み
・みぞおちの焼ける様な感じ
・食後のもたれ感
などがあります。
と、いうことを、来られてからあわてて調べたんですけどね。

Kさんの症状はまさに食事開始後、すぐに食べ物で胃がいっぱいになるような感じして食べ物が食べれなくなる、無理して食べるとあとで胃や腸が気持ち悪くなるというものでした。
去年の7月から悪くなり、この一年弱で9kg以上痩せたそうです。
いろんな検査をしたけど異常なし。
いろんな病院に行ったけど改善しない。
そんな時、産後からずっと腰の調子が良くなかったお嫁さんが、こはる庵に通い始めて腰が楽になって、しかも全体的な体調まで良くなったのを見て、「内臓の疾患だけど」と藁にもすがる思いで奥さん同伴で来院されました。

この一年、Kさんなりに頑張ってストレッチをしたり、散歩をしたりといろいろ試しているけれど、症状はあまり改善しないどころか少しずつ悪化してきたそうです。
一緒にお話を聞いている奥さんもめっちゃ協力的で、食事を工夫したり、さすったり、マッサージしたりと努力しておられ、それをKさんがすごく感謝されています。
このご夫婦はめっちゃ仲がいいんです。

今回で二回目の施術でしたが、初回の施術については
「まだ変化が実感できていない」
と仰ってました。
が、施術前の検査をして行くうちに
「そう言えば今までチョット座る時間が長くなるだけで腰が痛かったのが気にならなかった」
と、変化に気付いて喜んでもらえました。

私は最初に
「機能性ディスペプシアや胃の不調などの症状だけの改善を目指していません。何かバランスがくずれて本来のKさんの身体の機能が使えなくなっている、それを取り戻すだけです」
と、正直にお伝えしています。

操体法を学び、操体法で患者さんと向き合って行くうちに、患者さんが訴えている症状だけでなく、身体のいろんなところが改善していくのを目の当たりしてきました。
「鼻炎が治った」
「頭痛がしなくなった」
など、え?そんなこと言ってなかってじゃん?!ってビックリすることも多々あります。
本人の全体の自然に合ったバランスが整い、身体の治癒力などの素晴らしい力が戻ってきたからで、元々その力がちゃんとある証拠なんですよね。

Kさんも身体に変化が出てきたということは、見た目にはわからなくても骨格や筋はもちろん内臓や脳や神経の方にもいい影響が出ているはずです。

Kさんは今まで身体に無理をさせてきていた為、本来なら飛び上がるくらいの痛みが出てもおかしくないような筋肉の張りがあるのに、強めにさわってもあまり応えなかったほど感覚が鈍くなっていました。
あ、今回はちゃんと検査の時に飛び跳ねるほど痛がってもらえました。
そして初回はあまりわからなかった左右差もちゃんと感じてもらい、どこがつっぱるかも明確に分かるようになっていました。

これって治る上でものすごく大事なんです。
脳がちゃんと治すべきところを理解することで治るスピードが格段に上がります。

今回の施術後は、身体の変化をしっかり感じていただけました。
変化の出た操法をひとりできる方法を尋ねてこられたのも嬉しかったです。
奥さんも
「前回教えていただいた【ゆらし操法】をやってみたのですが、なんか違うんです。イマイチ分からないのでもう一回教えてください」
と訊いてこられて、前回お伝えしたことを実践しておられることもさらに嬉しかったです。
そんなの、めっちゃ応援しちゃうがな!!
ということで、一度奥さんにも【ゆらし操法】を受けていただき、チョット特訓してもらいました。

 

私はディスペプシアという症状はあまり詳しくありません。
あわてて調べたくらいですからね。
ですがこのKさんに対しても、絶対よくなるという強い確信が持てました。

いろんなところに良い変化が出たという事もその理由の一つですが、何より奥さんのKさんへの愛が半端ない。
そしてKさんも奥さんへの感謝が半端ない。
先日のセミナーで恥ずかしげもなく「操体法は愛だ」と熱く語ってきました。
もうね、「愛」ですよ、「愛」

私は氣とかオーラとかは見えませんが、お二人がこれだけいい関係だと家の中も明るく良い波動が流れているんじゃないかと思います。
そりゃどうせ治るでしょうと言いたくなりますよ♪

ちなみに、紹介してくださったお嫁さんの施術の時、ダンナさんであるKさんの息子さんも、4か月のお子様のお世話をするために一緒に来院されたことがありますが、あやしかたも上手なら、おしめもミルクもばっちこい、げっぷまで上手にさせてました。
日頃から腰の悪い奥さんに代わってお世話をしていたそうで、息子さん達も素敵なご夫婦です。
↓今日の「愛」?

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河川敷の散歩から帰ってきた娘
「おかーさん、おかーさん!帰る時、らぶがおった!!」
・・・ら、らぶ??犬?
一緒に散歩に行ってたママ友によると、学校帰りに手をつないでいた中学生カップルがいたとか。
おお、LOVEか!!

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